海事代理士 過去問 令和7年(憲法・造船法)解説つき
憲法
天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の[ ]と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
正解:助言
日本国憲法第3条の条文そのままの出題です。天皇の国事行為には、内閣の「助言と承認」が必要で、責任を負うのは天皇ではなく内閣です。第7条は「内閣の助言と承認により」国事行為を行うと定める別の条文なので、第3条(必要とし・責任を負ふ)と第7条(により・行ふ)を取り違えないようにします。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び[ ]の向上及び増進に努めなければならない。
正解:公衆衛生
第25条は第1項が生存権(健康で文化的な最低限度の生活)、第2項が国の努力義務です。第2項の並びは「社会福祉、社会保障及び公衆衛生」。「公衆衛生」は第2項の最後に来る語として覚えます。
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の[ ]である。
正解:立法機関
第41条は「最高機関」と「唯一の立法機関」の2つをセットで定めます。空欄は「立法機関」。「唯一」とあるのは、立法権が国会以外に分け与えられないことを示す語です。
内閣は、[ ]の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
正解:行政権
第66条第3項です。内閣が国会に対し連帯して責任を負う対象は「行政権の行使」。第65条の「行政権は、内閣に属する」とつないで覚えます。
予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて[ ]を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
正解:予備費
第87条第1項の予備費です。支出するのは内閣の責任で、第2項で、事後に国会の承諾を得なければならないとされています。「事前の議決」ではなく「事後の承諾」である点が問われやすい所です。
選挙における投票の秘密は、法律の範囲内で保障される。選挙人は、その選択に関し公的に責任を問われる。
正解:×
誤り(×)。投票の秘密を定める第15条第4項には「法律の範囲内で」という限定がありません。また、選挙人は選択に関し「公的にも私的にも」責任を問われない、とあり、問題文は「公的に責任を問われる」と逆の内容になっています。
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
正解:○
正しい(○)。第81条の条文どおりです。最高裁判所は違憲審査権を持つ「終審裁判所」で、対象は法律・命令・規則・処分の4つです。
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されない。会期前に逮捕された議員は、会期中これを必ず釈放しなければならない。
正解:×
誤り(×)。第50条は、会期前に逮捕された議員について「その議院の要求があれば」会期中に釈放しなければならない、と定めます。問題文の「必ず釈放」は、議院の要求を欠いた誤りです。
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。
正解:○
正しい(○)。第92条(地方自治の本旨)の内容と合っています。問題文は「基づいて」と書いてありますが、現行条文の表記は「基いて」です。表記の違いだけで、意味は同じです。
両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の過半数で決したときは、秘密会を開くことができる。
正解:×
誤り(×)。第57条第1項但書で、秘密会を開くには「出席議員の三分の二以上の多数」の議決が必要です。「過半数」は誤りです。憲法の中で三分の二が要る場面(秘密会、議員の資格争訟での議席喪失、除名、再可決など)をまとめて覚えると、数字の入れ替えに強くなります。
造船法
(1)総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は[ ]をすることができる造船台、ドック又は引揚船台を備える船舶の製造又は[ ]の施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受けようとする者は、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。 (2)次に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から二月以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。 一 鋼製の船舶の製造又は[ ]をする事業 二 鋼製の船舶以外の船舶で総トン数二十トン以上又は長さ十五メートル以上のものの製造又は[ ]をする事業 三 軸馬力三十馬力以上の船舶用推進機関の製造をする事業 四 受熱面積百五十平方メートル以上の船舶用ボイラーの製造をする事業
正解:修繕
造船法第2条第1項の条文です。許可の対象は「製造又は修繕」の施設で、空欄は「修繕」。第5条でも「製造又は修繕をする事業」と同じ並びで出てきます。
(1)総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は修繕をすることができる造船台、ドック又は[ ]を備える船舶の製造又は修繕の施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受けようとする者は、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。 (2)次に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から二月以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。 一 鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業 二 鋼製の船舶以外の船舶で総トン数二十トン以上又は長さ十五メートル以上のものの製造又は修繕をする事業 三 軸馬力三十馬力以上の船舶用推進機関の製造をする事業 四 受熱面積百五十平方メートル以上の船舶用ボイラーの製造をする事業
正解:引揚船台
第2条第1項は設備を「造船台、ドック又は引揚船台」の3つで書きます。空欄は「引揚船台」。第3条の設備の許可も同じ3つです。
(1)総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は修繕をすることができる造船台、ドック又は引揚船台を備える船舶の製造又は修繕の施設を新設し、[ ]、若しくは借り受けようとする者は、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。 (2)次に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から二月以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。 一 鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業 二 鋼製の船舶以外の船舶で総トン数二十トン以上又は長さ十五メートル以上のものの製造又は修繕をする事業 三 軸馬力三十馬力以上の船舶用推進機関の製造をする事業 四 受熱面積百五十平方メートル以上の船舶用ボイラーの製造をする事業
正解:譲り受け
施設の許可が要る行為は「新設し、譲り受け、若しくは借り受け」の3つ。空欄は「譲り受け」。後で出る問2(4)の罰則も、この「譲り受け」を含みます。
(1)総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は修繕をすることができる造船台、ドック又は引揚船台を備える船舶の製造又は修繕の施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受けようとする者は、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。 (2)次に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から[ ]以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。 一 鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業 二 鋼製の船舶以外の船舶で総トン数二十トン以上又は長さ十五メートル以上のものの製造又は修繕をする事業 三 軸馬力三十馬力以上の船舶用推進機関の製造をする事業 四 受熱面積百五十平方メートル以上の船舶用ボイラーの製造をする事業
正解:二月
第5条第1項の事業開始の届出期限は「二月以内」。同じ法律の中で、許可を受けた工事の完了届(第2条第2項)は「一月以内」です。一月と二月、許可と届出の組み合わせで取り違えやすいので、表にして覚えます。
(1)総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は修繕をすることができる造船台、ドック又は引揚船台を備える船舶の製造又は修繕の施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受けようとする者は、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。 (2)次に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から二月以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。 一 鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業 二 鋼製の船舶以外の船舶で総トン数二十トン以上又は長さ[ ]メートル以上のものの製造又は修繕をする事業 三 軸馬力三十馬力以上の船舶用推進機関の製造をする事業 四 受熱面積百五十平方メートル以上の船舶用ボイラーの製造をする事業
正解:十五
第5条第1項第2号は、鋼製以外の船舶のうち「総トン数二十トン以上又は長さ十五メートル以上」のものが対象です。空欄は「十五」。
(1)総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は修繕をすることができる造船台、ドック又は引揚船台を備える船舶の製造又は修繕の施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受けようとする者は、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。 (2)次に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から二月以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。 一 鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業 二 鋼製の船舶以外の船舶で総トン数二十トン以上又は長さ十五メートル以上のものの製造又は修繕をする事業 三 軸馬力[ ]馬力以上の船舶用推進機関の製造をする事業 四 受熱面積百五十平方メートル以上の船舶用ボイラーの製造をする事業
正解:三十
第5条第1項第3号は船舶用推進機関で、基準は「軸馬力三十馬力以上」。空欄は「三十」。第4号のボイラーは「受熱面積百五十平方メートル以上」です。推進機関の馬力と取り違えないようにします。
設備の増設の許可を受けた者は、その許可に係る工事を完了したときは、その日から一月以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
正解:○
正しい(○)。設備の新設・増設・拡張の許可は第3条第1項で、その工事を完了したときの届出は、第3条第2項が第2条第2項を準用しています。したがって「その日から一月以内」に届け出ます。
造船法に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方運輸局長に委任している。
正解:○
正しい(○)。法第33条は、国土交通大臣の権限を省令で地方運輸局長に委任できるとしています。造船法施行規則第16条が、施設の許可、工事完了の届出の受理、事業の開始・休止・廃止の届出の受理などを、工場の所在地を管轄する地方運輸局長に委任しています。法律の「委任できる」と、省令で現に「委任している」を分けて確認した問題です。
鋼製の船舶の製造をする事業を営む者が、その事業を休止するときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
正解:×
誤り(×)。事業の休止は、第5条第2項で、休止し又は廃止した「ときは、二月以内に」届け出る(事後届出)と定められています。「あらかじめ」届け出る必要はありません。届出をしないと第37条第1号で三万円以下の罰金です。
造船法において、国土交通大臣の許可を受けずに、総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造をすることができる造船台を備える船舶の製造の施設を譲り受けた者は、六月以下の拘禁刑若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定められている。
正解:○
正しい(○)。許可なく施設を譲り受けた者は、第2条第1項違反として、第35条により六月以下の拘禁刑若しくは十万円以下の罰金、又はその併科です。「拘禁刑」は、刑法等の改正により令和7年6月1日から懲役・禁錮に代わって使われている語で、条文のe-Govの現行版(施行日20250601)もこの表記です。それ以前の年度の問題・解説は旧表記(懲役)のはずなので、過去問を使うときは語の違いに注意します(旧条文そのものは本サイトでは未照合)。